symphonic=rain





クリスは最初から最後まで何も出来ない人。
トルタは、勝手に自滅へと突っ走っていく人。
ニンナは、トルタが「聞く気にならないと」真実を伝えられない人。


シンフォニック=レイン
この偽りの雨が降りしきる世界では
誰一人、一人では世界を動かせない。

だが

恐ろしく緻密な嘘の積み重ねが、世界に最大の影響を与えた。
シンフォニック=レイン世界、最大の嘘の使い手。
彼女の歌声は、まるで天使のよう。
「奇跡」を起こす、その歌声、
それはまさに、「疑似」魔法である。
なぜなら、それは結局、嘘だから。

そう、この世界には、
魔法も奇跡も存在しない。
人は死ぬ。そして帰らない。

死を悲しみ悼む人々の歌声、そして
その歌声の調和こそが、唯一世界を明日へと導く。

歌声、それは、人々のココロ。
歌声、それは、嘘。

だが

その調和の中にこそ、かすかな真実が輝くのだ。
嘘だけで世界が塗りつぶせないのと同様に
真実は、けして単独で存在し得ない。
真実は、嘘たちの関係の間にしか存在できない。

だから

真実は、それ自体、意味を持たない。
真実、それは『ただ、そこにあるもの』


真実、それはまさに、「嘘たち」の紡ぐシンフォニー。
真実、それは、つまり、

symphonic=rain