シンフォニック=レイン DVD通常版 二日目

hajic2005-01-22

上手な落語は気をつけて聞いていないと、いつ本題に入ったのかわからない。小咄だと思って笑っているとしっかり本筋に移行していたりする。SRは落語ではない(当然だ)が、私がその甘酸っぱい、何気ない水色の日々に微笑んでいるうちに、いつしか物語は熱い程に冷たい群青の沛雨に濡れていた。どうもしまらない。そもそも落語ってなんだ。台無しじゃないか。
夜なべしてトルティニタルートをクリア。ほのぼのした日常にじわじわと浸みてきた冷水も、最後には遠慮なく頭からぶちまけられます。このままじゃ終わるまい、という予感のさらに上を行く水量。しかし、てっきりバッドだと思ったらグッドエンドと書いてありますな。これをグッドと呼べる理由が今時点ではさっぱりわからないのだけれど。グッドですか。ホントですか。
それにしてもプロの声優は上手い。彼女ら/彼らの演技力は本作の魅力を大きく加速している。ビジュアルノベルというメディアの持つポテンシャルにもあらためて驚く。もちろん、ライターの腕も尋常ではない。ことに素晴らしいのは日常の風景をさり気なく魅力的に描く力量。なんでもない1カットをストーリーから切り離して見たとしても、それ自体が変わらず魅力的だというのは簡単にできることではない。久々にワクワクしている。石野さんに感謝。
追伸。トルタ、お菓子みたいな名前だなんて言って悪かった。それはタルトだった。