もてない男―恋愛論を超えて (ちくま新書)

もてない男―恋愛論を超えて (ちくま新書)


恋愛は誰にでもできるという「嘘」が、
恋愛のできない者を焦燥に追い立て、ストーカーを生むのである。

なんだか変な魅力がある。これは私怨だと言い張りながら真面目な話を展開しつつ、根は結局私怨の気配。本当は一夫多妻(正確には妾システム)は素晴らしいんだ    .ただ俺に女がまわってこなくなるから反対。という具合にどこまで本気なのかよくわからない。たぶんみんな本気。


■第一回 セックスは怖い
童貞がなかなかセックスできないのは性交が怖いから。性交が怖い理由は相手を妊娠させる可能性があるから。その恐怖を除去してくれるのは娼婦とのそれだが大変空しい。空しいからたまに40過ぎまで童貞の男がいる。
(そうなのかなあ)

■第二回 オナニーは空しい
オナニーは自己愛でも他者愛でもない。だって子供は無意識に性器を触ってオナニーする。いくらオカズを使用しようとオナニーは根本的に個人作業だ。何か足りない。不安になる。オナニーは恋愛欲を満たしてはくれない。
(それはそうだ)

■第三回 理想の女性とは結婚できない
押しても引いても何してもだめな時はダメだ。そのくせ人生は一度きりだから、ついつい理想は高くなる。なかなかまともに恋愛できない。セックスしたり遊んだりするのはいいけど結婚はなあ。皆そのうち適当に妥協して結婚する。
(前半は恨みつらみ)

■第四回 クリスマスの裏面
ニーチェ。ルサンチマン。法界悋気。弱者の感情。みんなデートしやがって、俺は寂しいぞ。男は友達がいないから結婚したい。女は友達が多いから比較的まし。
(前半は恨みつらみ)

■第五回 ノットオンリーユー・フォーエバ
妾の機能。恋愛と性欲の区別不要。オンリーワンとしての表明の不要。あるいは政略的な結婚に対する”恋愛”の対象。一夫一妻制は理念によって現実を押さえ込んだから不自然。夏目漱石の後期作品の懊悩は妾システムが解決しただろう。結婚しないのも手だ。
(結婚への絶望的見解)

■第六回 不倫は逮捕覚悟で
強姦した教授たちは明らかに悪い。まあ大学院生も賢くなかったが。姦通罪は男女ともに適用するものとして復活すべきだ。不倫がロマンでなくなった。強姦いろいろ。男からの誘惑としてのコミュニケーションスキルとセクハラの差異はどこにあるの。
(自由恋愛のグレーゾーン)

■最終回 結婚前にセックスするな
恋愛結婚イデオロギーは危険だ。恋愛下手にはどうしようもない。セックスできない男が気の毒なのはセックスできないからではなく、セックスに対する幻想をむやみにかき立てられるからだ。とは言え恋愛不要論は生き甲斐の点でsubstitutesを要求する。
(どうしたものか)

○筆者の主張
恋愛至上主義を捨てましょう。セックスはもっとずっと真剣な責任が伴うものです。愛以外に生きる喜びを見つけること。そんなのあるのか知らないけど。

◎たぶん筆者が本当に言いたいこと    .
世の中のアホども、いちゃいちゃしてる暇があれば勉強しなさい。