天国の門番をしていた聖ペテロが、少しの間だけ交代してくれる人を探していた。イエス自らが門番をしてくれることになった。と、その時誰かが門をノックした。それはよぼよぼの老人で、イエスにこう言った。

 「私は老いぼれた大工です。息子が一人おり、とても可愛がっていましたが、どこかへ行ってしまいました。私は世界中を探して回り、息子を見た人はいないかと尋ねました。人々は、息子のことを人づてに聞いてはいるけれど、実際に会ったことはないというのです。もしかして、ここにいるのではないでしょうか?」

イエスは目から感激の涙をあふれさせ、両手を広げて叫んだ。
 「お父さん!」

老人はイエスを抱きしめて叫んだ。
 「ピノキオ!」


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