応用きのこ学

共同研究室でのんびりコーヒーを飲んでいたところ、研究員公募のサイトを閲覧していたSさんが突然笑い出した。モニタを覗き込むと信州大学応用きのこ学研究室と書いてある。どうやら信州大学には応用きのこ学なる研究テーマがあるらしい。なんと珍妙な。いや、「きのこ学」ならまだ、何となく分かるような気がするのだ。しかし応用である。それも応用菌糸類学ではなく応用きのこ学。きのこを一体どのように応用するのだろう。気になるので検索をかけてみたら、さらに「応用きのこ学概論」なる講義を発見した。概論科目があるのだから、それなりに体系化された研究のはず。
正確には「信州大学大学院農学研究科 機能性食料開発学専攻 機能性食料育種学講座 応用きのこ学研究室」らしい。研究分野には「きのこには抗腫瘍活性を示す多糖体,血中コレステロール値の低下物質,血圧降下物質,抗血栓物質など様々な生理活性物質が含まれており,従来の嗜好性食物としてのみならず薬理効果のある機能性食物として注目されています.しかし,栽培きのこの既存品種は子実体の形態や収量性などの栽培特性を主たる育種目標として育成されてきており,生理活性物質の含有量に注目した育種はほとんど行われていないのが現状です.そこで,機能性成分高含有きのこを効率的に開発するために,きのこの遺伝資源や遺伝・育種に関する基礎・応用研究を行っています」とある。つまり、健康によいきのこをどんどん作る研究ということのようだ。そのまんまじゃないか。大げさな。