ペンギン断章  2003.3/11

.     .だが、錠というものはいつも、閉ざされるべきものとしてではなく、誘惑するものとしてかけられるのだ。子犬のように無邪気な笑顔を振り撒きながらポニーが後ろを振り返り見て錠をかけ、私は前を見やって錠を開けた。八月の太陽が眩しすぎたあの日、私はおそらく眼を一つ余計に持ちすぎていたのだ。