お米の炊き方

丈夫で軽くて安くて健康に悪いアルミ製

アウトドアストーブでの炊飯は片手でもできそうなほど簡単である。あんまり簡単なので誰でも自分流の炊飯ウンチクを持っているくらいだ。ところがその方法を簡潔な文章にするのは両手を使っても難しい。実際過去にも何度か挑戦しては失敗した。ちょっとトライしてみよう。
適当なナベ*1に米を適当に入れ、適当に洗い、適当に水を入れる。この時水の深さは米の深さのだいたい倍である*2。これをそのまま放置して適当に水を吸わせる*3。ナベをストーブにかけ*4、そこらの適当な石かなにかでフタに重しをしたら*5、強火にして吹きこぼれるまで待つ。白く濁った湯が吹きこぼれ始めたら*6、適当に間をとってから*7ストーブをとろ火にする。時計を取り出し、だいたい15分後にタイマーをあわせてテントでも張る。時間がきたらストーブをもう一度強火にし*8、少し待ってから*9ナベをおろす。おろしたナベはフタを下にひっくり返して置いておき、適当に蒸らす*10。できあがり。
注釈を山ほど入れながらもこの長さである。まず水の量の説明がややこしい。実際にやって見せたら5秒で済む作業なのに、文字で説明するとなると全角50文字以上使っても曖昧だ。どれだけ説明しても曖昧ならば、案外「水は米の倍くらい入れる」で良いのかもしれない。一方、注釈を見てみるとディテールの表現にかなりの文字数が取られている。炊飯という作業は意外とデリケートな作業なのだろうか。水の量と吹きこぼしの時間さえ間違えなければ誰だって美味しく炊けるのに、不思議なことだ。

*1:無駄に大きすぎず、きっちりフタがしまるナベが好ましい。私は入れ子式コッヘルのうち大きめのナベを使っている。そういえばチタン製のナベは焦げやすくて炊飯し難いらしい。

*2:まず米の深さを指で測り、次にその指を米の上に立てて、米の深さだったところまで水を注ぐ。

*3:小一時間も放っておけば十分。

*4:30分近く調理することになるので、カセット式のガスストーブでは燃料消費が馬鹿にならない。やはりガソリン式のストーブを使用するのが良いだろう。id:hajic:20040825#p1参照

*5:フタの重しを忘れると、湯が一気に吹きこぼれすぎてストーブの火が消えたりする。

*6:ナベのサイズにもよるが、しばしば地面が濡れるほど元気よく吹きこぼれる。フタに着いた無色の水蒸気がぽたぽたと落ちるのを見ても慌てない。

*7:平地であれば深呼吸をゆっくり三度ほど、高地であれば…九九を二度ほど数える。特に高地ではこの時間が重要で、急ぎすぎると見事に芯飯ができるので注意する。

*8:この作業で最後に残った水気が飛び、美味しいオコゲができるのだとキャンパーたちは信じて止まない。

*9:深呼吸一回程度

*10:10分もすれば美味しくいただける。