わかむらPの新作の感想とその他

 わかむらPの新作がメタっぽいと話題なのでメタっぽいアイマスMADをいくつか引っ張って見た。


 ここで言うところのメタ作品とはつまるところ、アイマスMADを通して当該作品やプロデューサー(しばしば制作者)自身の虚構性に言及するような作品のことですな。夏目漱石風に言うと浪漫的皮肉で英語で言うとロマンチックアイロニー。案外長い歴史を持つ概念で、その名の通り、ロマン主義の人々が活用しました。なーんちゃって、テヘ、みたいな感じ。

 どんなジャンルにもある程度必要な思考実験ではありますが、やりすぎると何を信じて良いのか分からなくなる禁じ手でもあります。だいたい破綻します。神を思いっきり否定しておいてスピリチュアールな方向へ行っちゃったりするの。あぶないあぶない



 わかむらPの新作ですよ。いいですね! 弛まない挑戦。
投稿頻度の高さもあってどうしても見飽きられてしまう作風を自覚的に変えてくれる、
かゆいところに手の届くわかむらサービス。一文にもならないのにすごい。素敵。
春香さんをプロデュースする権利をあげよう。



 ニコマスの代表的メタ作品。コメントの阿鼻叫喚を楽しく拝見しました。
フレームに収められてどんどん後退する視界は、いかにも対話法チック。
「所詮ゲームだ」という主題をどう消化するのか、視聴者を挑発しています。
これぞ無限後退する我知無知であるとソクラテスが言っていました。夢で



 アイマスだと見せかけて実は自分のことしか歌わないいけP。
これをメタだと言って良いのかどうかちょっと分からないけれど面白いのでOK。
実際この辺りが平和なのだと思われます。楽しいよねDLC集めるの。だいたいそれでいいの。
くらわんPの動画とか見てると持ってない頭アクセとか出てきて悔しいのでアイドラも買います。
世界は常に最善。



主張
 なんというか人間はメタが好きなんですね。視界がこう上空飛翔的になる。人がゴミのようだとかそんな感じになる。ラノベとかゲームとか多いでしょう、あの「外から見てる」的な演出。超越者的視点は気分が良いので誰でもたまには欲しくなるのです。気分爽快。

 ただし、注意すべきは、結局のところ人間は超越者ではないので、この視点は不自然なんですね。あまり期待しすぎるのは禁物です。物語の解決に用いるなんてもってのほか! 失敗だらけのパラレル世界を並べて感動の正解ルートに辿り着くとかもう最悪です。おまえそれでいいのか? お前のリアル人生が失敗ルートだったらどうするんだぜんぜん感動してる場合じゃないから。ドラえもんのび太の魔界大冒険を百回見て反省したらいい!

 それはともかくわかむらPの新作良かった。メタ大好き。