樹海の糸


 それは冗談にならない際どさでアイマスと実写の混合に成功した。作者の意図は分からない。ただ、事実として視聴者の多くは「自殺」を連想している。春香と自殺。アイマスと実写。対極にある二つのイメージが無理なく結ばれた不思議な世界。そこから滲むのは不安な何か、彼女が現実に溶けてしまいそうな怖さ。アイマス×実写というジャンルは、あるいは現実の持つ強度との戦いになるのかもしれない。


 ところで、オレの春香さんは自殺なんてしないよ! と憤慨する向きはこちら『春香と灰春香』を見ると、それなりの落とし所が見つかるかも。

 タクヲPの『夜明けの風聞きながら』、ミズナスPの『ただいま。春香』にしても、実写を使用したアイマスMADは比較的謎のテンションを保つなあと思っていたけれど、これはやっぱり、せめぎ合いなのかなあ。2.5次元の浮き彫りを、もう一度現実と重ねる試み。これは戦争だね。