スキップ

スキップ (新潮文庫)

スキップ (新潮文庫)

 夏の一冊である。喜んで読書感想文が書きたくなる希有な一冊でもある。無茶苦茶面白い。読むべき。昼寝から目覚めたら42歳になっていた17歳。「アザラシの生態観察の文章を読んで、アザラシについての知識を増やすのは、現代文の授業じゃないわよね」。——北村薫ってホントに碌でもないプロットを思いつく皮肉屋のひねくれ野郎だ! と憤慨したあなたにはこの本は間違いなく楽しめるから700円くらい払うと良いです。あまりピンと来ないあなたは今まさに午睡のただ中にいるので人ごとだと思って読めば良いかも。僕が心から推薦できる特別な一冊。