nuova gastronomia

 イタリアの某大学から研修団が来ているので応援に行く。メンバーはおよそヨーロッパ圏の人間、一人ケニア人がいて寿司に大喜び。こんなに旨いものだとは思わなかった、国に帰ったら最初の”vero(本物の)”日本料理店を開く、とか言っていてリップサービスとしても嬉しい。他にもルネサンス以来のミラノ貴族(今は有名な香水屋さん)、ドイツのお姫さま(「民草のために云々」と話し出し皆の度肝を抜いた)、スペイン戦の敗北を愚痴るただの酔っぱらい、などとバラエティに富んでいる。
 日本側からはナスビを一個1000円で売る農家の人が来ていて、言うことには「綺麗なものを綺麗、素敵なものを素敵といえることは大事なことだ。しかし、大人はそれだけではいけない」。自分は何をしたか、何をしたいのか。そのために何が出来るか・・・。ふとニコマス界隈を思い出した。やりたいことを形にしている人々は格好良い。きっと彼らが去った後でも、その名前は語り続けられる。それこそ文化を支えた家族の血筋や、国民の福祉に思いをはせる令嬢の言葉や、サバンナに寿司屋を開こうとする男の足どりのように。
 とは言え、ただの酔っぱらいも、それはそれで。