アイマスMADは凄くない

ふーりP やよい ラブスレイブ ☆1.1a

http://www.nicovideo.jp/watch/sm697168


ぶっちゃけてしまうとアイマスMADなんて凄くないんですよ。たぶん世の中の大半の人がアイマスMADは凄くないと言うでしょう。お金がかかっていないからです。世間には豊富な資金が投入されたエンターテイメントが山ほどあり、資金が多く投入されているということは当然才能もたくさん投入できますから、才能ある個人が作るものより派手なものができる。あと広告効果が全然違います。みんなが右と言えばみんなで右を向くのは世の習いですから新聞や雑誌や芸能人なんかに凄い凄い言わせれば何だか分からないうちに流行ります。毎週変わる全米No.1ヒットとか。

そんなゴージャスなエンタテイメントに慣れた現代人の大部分にとって、貧乏くさいアイマスMADなんて、はっきり言って全然凄くない。比較対象を他のアイマスMADとか手作り動画とかにして「凄い」というのは理解できますが、外側に対して全く訴求力を持ちません。同様に、超有名Pたちみたいな「出来ることが制限された状態でギリギリ限界を行く趣味の作業の頂点」みたいな凄味もまた、一般には理解不能でしょう。もっとお金かけて制限外せばもっとマシなのできるんじゃないの、ってみんな思う。「それじゃアイマスMADじゃなくなっちゃうんだ」なんて言っても、ますます理解して貰えない。ふーん、で終わる。

なんで僕らにとってアイマスMADが凄いのかって、結局それが好きだからに他ならないわけです。ここのところを取り違えると良くないんじゃないかと。好きになるにはいろんな理由がありますが、理由を並べられても好きになるわけじゃない。だから「技術が」「センスが」という自慢話はそれこそ最悪で、技術なんて映画のSFXに遠く及ばず――センスに至っては3Dレンダリングのアイドルが踊ってるんですよ! 最悪じゃないですか、常識的に考えて。一般がアイマスMADへ注ぐ視線は(良くて)ネタです。僕らがアイマスMADを褒める言葉は、「何を言われようと好き」以外にないでしょう。

MADとして大人気の『アキリツ大百科』や『まこにゃんダンス』にしても、オリジナルを作ったのは数千万の資本です。そもそも、全ての起源『アイドルマスター』自体が資本金150億の企業の製品。アイマスMADはそんな資本の産物の上澄みをすくってチャプチャプ遊んでるみたいなもので、それが「原作を超えた」とか言い出したらもうちゃんちゃら可笑しい。オリジナルの懐の広さが褒められ、感謝されるならともかく。ニコニコ動画内にも存在するアイマスMAD嫌悪は、この一種の傲慢に対する反発の要素が大きいのではないかとさえ思います。別にアイマスMADは偉くない。

もちろん僕は、アイマスMADは凄いと心から信じています。何かと比べて具体的にどこか凄いというのではなく、こんなに可愛いし、こんなに格好いいし、こんなに面白いし、ええと、兎に角凄い好きだから凄いんだいキーッ、って感じで。で、アイマスMADって少なくとも今のところその程度だと思うんです、社会的に。だいたい著作権侵害の塊でしょう。許して貰えたら幸い、無理で当然、理解して貰えたら大喜び・・・そんな認識でいないと、何かと敵を増やすばかりなんじゃないでしょうか。足下は隙だらけのか弱い文化、できる限り多くの人の、暖かい理解を得たいものです。まずはネタで。


あと、意外と・・・というか案の定というか、反響の大きかったRidgerPの『鳥谷島谷あずさ』記事。
フルボッコを覚悟してあえて言います。あれは選曲が悪い苦手。

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  ((.;.;)ω・)=つ≡つ  あらかじめぼこぼこになってやんよ
  (っ ≡つ=つ
  /  #) ババババ
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