初音ミクとオタクとTBS

本人(と目される人物の一問一答) http://d.hatena.ne.jp/coldcup/20071014
初音ミク/メーカーブログでの記事 http://blog.crypton.co.jp/mp/2007/10/vocaloid2_16.html


初音ミクという新しい可能性が、「オタクの新しいおもちゃ」という文脈で一刀の元に切り捨てられたということにガッカリしている、というのが大勢じゃないでしょうか。言われてしまえばその通りなわけで。アイマスMADなんかもファンがどんなに騒いでも、「お遊戯会」って言われたらお終い。実際、普通の人にはそう感じられることでしょう。どんなに手間暇がかかっていても「安価な工作」だと言われたら言い返せない。何が凄いか分からない人、あるいは分かろうと思わない人には通じない、まさに趣味の世界の所以です。
ただ、一つ教訓になったのは、「おたくの側の無防備さ」が強調されたことかもしれません。馬鹿にされる側にも馬鹿にされるだけの理由は確かにあるわけで、今後もしもこの世界を露出していくことを望むのならば、おたく側として十分注意が必要であるという認識は深まったのではないかと思います。

残酷な事件です。「善意でのこのこ出かけていったら笑いものにされた」という事実はそれだけで切ないものですが――それ以上に、僕らが「すごいすごい」と喜んでいるものなんて、いや、むしろ喜んでいること自体が、いわゆる社会の前ではお笑い沙汰なんだなあという現実を、今更ながらつくづく思い知らされました。オタクという虚像が、笑われるために作り出されたのだとしたら、それ以外にメディアがオタクを取り上げる価値などないのでしょう。僕らが社会の中枢を占める時代が来たとき、こういう記憶を忘れていなければよいと思います。