トムは真夜中の庭で

トムは真夜中の庭で (岩波少年文庫 (041))

トムは真夜中の庭で (岩波少年文庫 (041))

数多ある「時間」を扱った物語のうちでも(完成度において)本作品に匹敵する作品はほとんどないんじゃないかと思います。真夜中の秘密の庭という夢の空間が理解の光を当てられるにつれて現実に薄れていく構成はひとえに芸術的。クライマックス、結婚式の夜のトムの絶望、そして朝の光の中の和解というラストシーンは本当にすばらしい。というか口で説明できない多重的な構成です。読まないといけません。ストーリーとはこういうものだと実感できるでしょう。夏休みの読書感想文はこれで決定。英文の原著も単語が易しいので超おすすめ。