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ピエモンテのブラでは大学のチューターをしているエレオノラの家にお邪魔する。ミラノに比べて朝夕はだいぶ涼しい。昨日の「新機軸ハンバーガーの夕べ」、すなわちピエモンテ種食肉兼用乳牛を使用したこだわりハンバーグ、その名もピエモンテジーナのお披露目会でハンバーグを4つも5つも食べたのでまだたっぷり胃に残っている気が。なかなか美味しかったけれど正直言って日本のハンバーグはもっと美味しい。
今日は食科学大学栄えある第一期生の卒業式だというので朝からエレオノラと同居人のナタリーは大騒ぎである。「それでも私たちはよくやったわ。これだけの短い時間で」。アイロンのあたっていないポロシャツの襟をつまんで少しでもしゃんとさせようと試みている僕に対し、すっかりめかしこんだ彼女はそう自慢した。
ポレンツォの大学にくるのは今年の冬以来なのでかれこれ5ヶ月ぶり。相変わらず今夏の一大イベント「プロジェクト ポー」の手配は進んでいないらしい。10月だか9月だか、二週間ほどかけて自転車でポー川をせっせと下っていくという企画である。
ロンバルディア州からエミリアロマーニャ州を通って流れるイタリア最長のポー川一帯はイタリアの食料庫であり、新旧様々な食文化が息づく。麦、米、トウモロコシ、牛、豚、生ハム、ソーセージ、魚、野菜、菓子、ワイン、ビール、蒸留酒etc.。要所要所でこれらの講義を受けながら学生たちは蚊と日光と湿気と自動車とでこぼこ道に満ちあふれたパダーナの低湿地帯を駆け抜ける。なんとお気のd、うらやましい。