Black Lagoon




お兄さん、お兄さん?
また何時か、また何時か会いましょうね
今度は二人で、ランチバスケットを持って


「夢に見そうなメイドが出てくるから見ろ見ろ」と友達に薦められていたのだけれど、これは。たしかにターミネーター。何というか色気の欠片もないOPの直後に入る「この番組はご覧のスポンサーで提供します」の声の嘘くさいことと言ったらない。
有り得ない話を、ポジティブに受けとればギャグ、ネガティブに受けとれば狂気。一見ギャング活劇のように見えて、その裏にあるのは底の見えないフィルムノワール
人の死ぬ様を感情抜きで眺めるその有様は何となく、『ポスタル』を思い出させます。ギャグ漫画とハードコアなサスペンス映画が同じ空間に同時に発生して、どんどんギャグキャラが順当に殺されていく感じ。
それにしてもエンディング。あれはもうアニメ史上に類を見ない陰気くさいエンディングではなかろうか。いやあ、世界が違うんですなあ。一つのアニメの中にさえ対立する幾つもの世界がある。『フルメタルパニック』も同じことを試みていたようですが、これまでのところブラックラグーンの方に軍配があがりそうです。

「でもね、わたしも兄さまも気付いたの。ほかの子がわたしたちの前に連れてこられて、泣いているその子を、バットで繰り返し叩いたそのときにね。大人たち笑ってた。わたしも兄さまも笑った。笑いながら思ったの。これは仕組みなんだって。そう、誰かを殺すことで世界が回り続けているのなら、わたしたちがここにいる理由も、また、それだけなの」*1

白眉、双子のエピソードの時だけ、EDが変わる演出にやられました。今日はもう満足。あと何が起ころうとも、僕はブラックラグーンを褒め讃えるでしょう。
また一作、DVD買わなきゃならない作品が増えました。


ASIN:B000FQ5FNG
http://www.crunchyroll.com/showseries?id=1787
セカンドシーズン#1#2#3だけでも見る価値はあり。
というか、日本のアニメの層の厚さにはほとほと感心します。

*1:本日のファルシータ賞受賞。BlackLagoon15話