うたわれるもの、youtube上の英語コメントを見ていて
http://www.youtube.com/watch?v=VbW4SUNz-_U
『うたわれるもの』第一話についていたそれは総じて「じつにりらくしんぐだ」「エルルルルー」「しっぽさわりたい」と言った朗らかなもので、こちらとしてもうっかり和やかになってしまいましたが、第二話三話で早くも登場する人死にシーン(虎とか)の後、コメントは「怖い」「残酷」「18歳以上になってから見る」といったものが目立つように。僕ら大きなお友達には今更どおってことのないシーンも、彼らにとってみれば衝撃だったようす。
その後、毎回のように乱暴に人死にが出るようになってからはちょっとうんざりして確認をしていないのですが――何が言いたいかといって、ちょっとこれは酷いんじゃないかしらと思うのです。もちろん外人に見せるために作っているわけでないのは確かだけれど、そんなことでなく、なにかおかしいんじゃないかなあ。あんなしっぽの生えた可愛らしいキャラの世界が、特に理由もなくこども同士で殺し合いしてるのはどこか狂ってるでしょう。
美形のこどもが二刀流でクルクル回るだけで、周りのザコ兵士たちが北斗の拳の悪役よろしく顔からまっぷたつにされて死にまくる。デブで変な話し方をする王様はとくに何をするわけでもなくフワフワしているうちに主人公に残虐に殺される。主人公は特にコメントもせず、目的も良くわからないまま戦線を拡大していつの間にか王様に。他国の動きも何だか良くわからないナンセンス爆発でさっぱりわけがわからんけど人だけはどんどん死ぬ。
そもそも18禁ゲームをアニメ化してるんだから少々のシナリオの不備は仕方ないよという声もあるでしょうが、それにしたってもう少しなんというかやりようはなかったのか、あるいは制作サイドは自分たちが作ってる作品に疑問を抱かなかったのかなあと思います。シナリオレベルではこども向けなのに演出は大人向けとでも言うべきか、見た目以上に不気味な残酷さが溢れている。こどもがニコニコとカエルの尻に爆竹つっこんでる感じ。無駄に作画なんかが丁寧なだけに、余計に怖い。
――ええと、何だっけ。そうそう、うたわれるものを「りらくしんぐだ」ってコメントしてた人は今頃、どんな顔して見てるんだろうなと少し思いました。