北村薫著、時の三部作の最終巻『リセット』を読み始める。まずいきなり戦前なのでびっくりした。スキップ、ターン、リセットと続くタイトルの中では最も重みに欠けるタイトルに反して展開されるのは格調高き昭和初期ブルジョワジー生活の回想。だがああ何ということ。たったこれだけのことがしばしば躓きの種になる時代に住む我々世代の哀れさと来たら!