同じ年に生まれた男の子と、双子の女の子達は、家が近いせいもあって、自然に家族ぐるみのつきあいをするようになった。
男の子にはフォルテールの才能がたまたまあって、双子の妹には歌の才能があった。
しかし姉には、特に何もなかった。

シンフォニック=レイン』の根底に、ひたひたと沁みている哀しさって、こういうものだと思うのです。どうにもならないし、誰の責任でもないのだけれど、やっぱり理不尽すぎる。彼と彼女にはたまたまあって、彼女にはたまたまなかった。事実はたったそれだけ。揺るがない現実。でも、それだけではない。何か理由が、意味があって欲しい。そんな風に思うのは、感傷的すぎるでしょうか。