聖週間開始

いよいよ受難の主日を迎え、復活祭へのカウントダウンが始まります。2000年ちょっと前の今週にあわれキリストが磔にあったのだ、という設定をせっせと回顧する一週間で、受難の月曜、同火曜、同水曜に聖木曜、聖金曜、聖土曜と続く物々しさ。聖木曜日は有名な最後の晩餐、その晩ユダ氏にうっぱらわれたイエスは(「ほんとは死にたくないんだけどなあ」というぼやきも空しく)逮捕され、翌金曜日にあっさり磔刑に(このあたりの仔細はあの退屈な映画『PASSION』に詳しい)。さて土曜日は安息日なので皆のんびり休み、翌日死に装束でも整えてあげようと出かけたファンの女性方がキリストの墓が空っぽなのを発見して大騒ぎ…というところのこの日曜日が復活祭というしくみ。晩餐から磔刑あるいは十字架降下、そして復活まで、それぞれのキャストの思惑が実に生々しく、非常に面白い新訳聖書のクライマックスシーンです。未体験な方はこの際にぜひ。四つの福音書を読み比べると、それぞれ視点が違って楽しめます。問題は、肝心のイエスの視点はどのあたりにあったのか、ですが。