あやかしびと プレイ中

あやかしびと 通常版


これは良いものです。何がって、こういったマスコット系の主役ヒロインを抱えながら、彼女自身がおざなりにならない作品は意外と珍しい。なかなかしっぽを出さないあたりがミソのような気がします。また各ヒロインもそれぞれ攻略意欲をそそるデザインで、切るものは切り、程よい数に絞ってあるのも正解でしょう。結局、それぞれのキャラに思い入れしながら、本筋を追うための人数構成の限界は、ヒロイン3+αくらいなのかもしれません。

内容について語るなら、主人公自身が、「気づかなかったこと」をはっきり罪として認識しているのは偉い。たとえほとんどどうしようもない事だったとしても、気づいてしまった以上、それはやはり罪なのです。そう、それは誰にでもある罪。それぞれの物語たちは、登場人物たちは、共通してその罪を抱えている。でも大丈夫、これは良いものです。罪は罪。間違いない。けれど、それを認めることで初めて、罪は許されうるし、罰は償いうるのです。


ほんのりとレイヤー系。
ライターさんの、”物語ること”に対する真摯な姿勢を感じます。