年末へ向けて

今月末25日(気付けば明後日だ)には智代アフターが、続く来月12月9日にはTo Heart218禁版が、さらに25日にはBittersweetfools(再版)の発売が開始。年末をひかえて期待のタイトルが目白押しです、と言うには例示が少々物足りない気がするけれどまあ良しとして。


智代アフター
智代アフター ~It's a Wonderful Life~  初回特典版

智代アフターなどと言うものは実はあまり知りたくありません。あの天下無敵のヒロインが側にいるかぎり、主人公があれ以上自主的にどうにかなれるとは思えないからです。しかしこの企画は意外と冒険で、あの『CLANNAD』というお話の(やたらと並列する、確率的には平等に見えるパラレルワールドで)構造(つまり渚だけを主ヒロインとして、彼女だけに独自の超越的ルートを用意したこと)に、果たして意味があったのかどうか(その根拠は『CLANNAD』単体でさえ極めて怪しかった)という点を、自らグラグラ揺らしまくる構想に見えるからです。きっちり片を付けてくれたら素直に感心したいもの。


To Heart2
To Heart 2 XRATED 初回版
東鳩2は前作の朗らかさを踏襲しているのであれば息抜きに良いでしょう。実際東鳩1は当時18禁ゲームに革命を起こしたと良く言われるほど衝撃的な作品だったらしいのですが、実際何が革命的だったかと今から見返して言うなら、「ああ僕たちはこんなにデタラメでこんなにいい加減なご都合世界を展開しちゃって良かったんだなあ、知らなかったなあ」とすっかり勘違いするほど皆を呆れさせたという一点に尽きますので。PS2版サイトのボイスサンプルを連打するとちょっとだけ面白いことを発見。


■Bittersweetfools
BITTERSWEET FOOLS
周りの人が皆「ダメだけど面白い」「ダメだけど面白い」と言うのできっとそうなのでしょう。舞台がイタリアのフィレンツェで、挿絵の人がGUNSLINGER GIRLの人であるという、あまりにも趣味に走りまくった(誰の趣味かはともかく)としか思えない本作を遊びながら、かの古都に心を泳がすのも一興です。個人的にはもう二度と夏のあの街に近づこうとは思いませんが。イタリアは冬ですよ。なんにせよ「愛されている作品」であることは間違いなく、ただ単にダメなだけの作品が群れをなすこの業界では希有な一品であるのは確か。後はお代が安いことを祈って。