キリスト教歳時記

キリスト教歳時記―知っておきたい教会の文化 (平凡社新書)


もうじきハロウィン、世間ではハロウィン企画だとかなんとか意味不明なイベントがまかり通っている今日この頃です。しかしながら「ハロウィンってなんじゃいな」と友達に聞いてみても「キリスト教のお祭りじゃないか」あたりのいい加減な返事だけが返ってくる可能性は極めて高いでしょう。しかし実際あのキリスト教が、不謹慎な格好をした子供らに集団略奪行為の機会を与えるほどなまぬる、いえ寛容なわけはなく、そのくせそれは明らかに西洋文明の産物であり、ではいったいこの馬鹿馬鹿しいお祭りはなんなのだろうでしょうなと言う具合に、落ち着いて考えてみるとますますわけがわからないハロウィン。

その答えは「11月1日の諸聖人の祝日の前日」の意味で、ケルトあたりの民間伝承に由来し、厳密にいうとキリスト教とは無関係なバカ騒ぎなのだそうですよ。といったうんちくが色々手に入る楽しい本。ヨーロッパを訪問する予定のある人は目を通しておくと、滞在がより楽しくなるでしょう。「はるばる日本から貴重なお金をはたいてやって来たのにどいつもこいつも日曜きっちり休みやがって」というムシャクシャも、いくらか収まるかもしれません。つまり日曜日は、お洒落をして教会に行く日なのです。ああ、ホントにもう、ちゃんと働け。