Quartett! 感想

ユニ

独特の絵とまんがみたいなフローティングなんとかシステムと元気な効果音とまじめな弦楽BGMが織りなすこの作品と作品内世界はあまりにも見事な躍動感と鮮烈さ、そして若々しい生気に満ちているーとかなんとかいまさら私が偉そうなコメントを吐くまでもなく、ちまたの評価の高さに納得のハイセンスな一品。デザイン良し、雰囲気良し、身銭を切って手に入れる価値はある。
とは言えシナリオ面から見ると弱点がないわけではない。特に悪役キャラクターたちの描写がさっぱりなので、彼らとの対決がシナリオの核となる2人のヒロイン、シャル&スーファのルートには大きな違和感を感じた。おそらくボリュームの問題だったのだろうけれど、結果としてそれらがヘッポコシナリオになってしまっているのはやはり残念。せめてもう少し、彼らの変節の理由について掘り下げることはできなかったのかしらん。
一方ヒロイン自らの弱さに焦点を当てたユニルートは文句なし。全然派手さはないけれど、丁寧な性格描写と自然な展開のおかげで素直に感情移入できる素敵なほのぼのストーリー。この程度の長さの作品で扱えるのはせいぜいこのくらいのサイズのテーマなのかもしれない。そんなわけでユニが一番魅力的だったなあ。地味だけれどキュート、一途で真面目で努力家のイタリア少女に乾杯!


なおウィンドウがアクティブでなくてもBGMが聴けるのでながらプレイに向く。80点。