それほど好きでなかったコーヒーを毎日飲むようになった。ちょっと前までどちらかと言わなくても紅茶党で、下手をすればコーヒーの悪口を吐き散らす類の人間だったのに。ことの起こりは大量の発表に追われだした今年四月、これはどう考えても朝まで脳みそフル活動しなければっというような危機に襲われたある夜のことである。もうダメ眠い、寝たい、でも終わってないでも眠い寝そう、どうにか目を覚まさなければと動かない頭で色々考えて、コーヒー好きの友人のために買っておいたインスタントコーヒーを飲んでみたのだった。効果は覿面、目は冴えるし文章も書ける。こりゃSUGEEEE というわけで以来夜更けのお勉強のごとに飲んでいたら、いつの間にか朝から飲むことも多くなり、今や普通にコーヒーカップが机に常駐。研究室にもマイカップ持参で飲む。…というような話を友人にしたところ、今度は「インスタントコーヒーなんて飲む奴の気がしれない」などと宣った。別に美味しいと思ってコーヒーを飲んでるわけじゃないから良いんだいと言いかえした私を彼は気の毒そうな目で見たあげく、「ふん」なる間投詞を投げくさったのである! 自分だって紅茶はティーパックでしか淹れられないくせに。だいたい最近のティーパックは無茶苦茶美味しいんだぞこのやろう。