Pre-Clannad

冒頭、主人公と出会う時点の渚は すでにこの世の人ではない。弱りゆく「街」が、自分の命の形代として命を失った幼い渚を選んだために、彼女もまた風子のような幻想体に近い。
人と人とのつながり、街と人とのつながりが失われ、何もない世界にただ一人存在する「街」。その魂が宿った存在である彼女は、主人公に同じ匂いを感じる。すなわち彼の、世界にただ一人存在するかのような孤独の思い。自然二人は惹かれ合う。

物語はここから始まる。クラナドという名前の、長い家族の物語が。