アイマスSP購入者の半数以上がアイマスMADを見ていた

 本文がむやみに長いので先にタイトルのソースを。
 アイドルマスターSP購入方法と購入時についてのアンケート結果
 http://enq-maker.com/result/2eTrM1g
 先週時点でアイマスSP実売が15万本と少し。購入者の約半数が3本とも購入、現在1本もしくは2本しか持っていないユーザーが半数いることを考えると、最終的に20万本は行けるんじゃないだろうか。

 想像以上にXBOX360版を持っていなかった新規のユーザーが多いこと、そして回答者の過半数がSP購入の理由として「アイマスMAD」を挙げている点は予想外だった。ニコマススレ以外は比較的アイマスMADへの風当たりの強い2chでこの結果が出ていることは、関連各所にとって無視できない事実だと思う。

 また、このアンケートには出ていないけれど、あのアクセスの悪さ、前評判の悪さにも関わらずDLC人気が高いこと、少なからずのユーザーが最初に購入したバージョン以外も買い足していることを考えると、SPは成功を収めつつあると断言してよさそうだ。


 魔汁Pの最新作は綺麗な作品だと思うけど普通の作品だよね。再生数5万強、ニコマス界隈以外からも視聴を集めたことは間違いない。紹介すべきMADってなんだろうね。みんなが好きなら勝手に伸びるし、個人的に好きな作品でもみんながそれほどでもないなら伸びない。

 経験だけで語るけど(語るしかないけれど)ニコニコの再生数って正直だと思う。再生数が回った作品は人気があって、回ってないのは人気がない。再生数はその作品のニコ動的クオリティを素直に反映してる。「もっと評価されるべき」タグは(気持ちはわかるけど)ナンセンスだ。

 ならブログは何を書けば、僕は何を書けばいいのかな。


 ブログの効能は二種類あって、一つは界隈のディープな人々(せいぜい数百人だ)に彼らが見落とした作品の視聴を勧めること、もう一つは作品への再生数以外の具体的評価を求めてる制作者(P)の満足度を高めること。よく期待されるような、動画の視聴数を上げることはとても難しい。

 また魔汁Pを例に出して申し訳ないけれど、楽画喜堂規模のニュースサイトに紹介されても、ブログ記事であれば楽画喜堂さんに紹介されると時に一万以上PVが上乗せされる、せいぜい数千の視聴数増だったんじゃないかな。これも憶測だけれど、動画の視聴数を一番回すのは、視聴者が友人に(無理矢理)見せることの連鎖なんだと思う。紹介じゃ見ない。


 記事を書くとき、ネタの内容でだいたいのPVを予測できる。例えばはてなニコマス記事を書けば、良く回ってPV3000、はてなブックマーク30少し。なんらかの手法で界隈以外の人間を巻き込んでPV5000、はてブは50前後になる。参考までに先日の炎上記事を上げておくと、PVは1万と少し、はてブ120程度だった。ニュースサイトに載らなかったワリには回った。

 同様に、たぶん、ニコマスPも視聴数を計算できるんじゃないかな。界隈のほぼ全員が見たとしてPVは2万前後、リピーターがついて3万前後。アニメネタなんかを使って(今回の魔汁Pのように)外部の特定層のファンも呼んで5万くらい。ニコニコ動画的に評価されたと言えるのは、それ以上回った時なのかもしれない。

 このブログを始めて何年目か忘れたけれど、1日平均2000PVくらいある。正直これで満足なのも確かだ。その数字の1割が「千早の乳首」の検索で来ているとしても。ぬるま湯だ。もちろん上を見るとページランク5の化け物がいる。一つの記事に6万送り込むアキバブログがいる。けれど満足はできる。1日18PVだったHP時代を考えれば雲泥の差だから。


 この辺もきっと、ニコマスPも同じ悩みを持ってるんじゃないかな。知らない人に評価されるって難しいことだよ。同じことしてたら伸びない。変わったことすると説明が必要だ。そして説明は普通は手にとって貰えない。がっかりする。それでも他にやり方がない。なるべく分かりやすく、しかも面白く、目新しくなるように努力を重ねる。

 ある程度界隈の人間がいれば、その人々を相手にしてるだけで満足な環境は整う。下手に露出して、妙なコメントを呼び込む危険もない。ある程度合意の形成された内部で仲良くやっていることは安全で快適で、確かにそれ以上何を望むのかという話ではあるけれど。

 どうせ書くなら評価されたいというのはある。友人知人に評価されるのは当たり前だから、なるべく知らない人に評価されたい。そうすると合意が取れていない。前提が違う。説明が必要になる。文章は長くなり、読んで貰えなくなる。冒頭三行で判断され、本意はなかなか伝わらない。意図しての拡大は難しい。


 ブログの視聴数を伸ばす仕事が書き手に委ねられているのと同様に、アイマスMADのPVを上げる作業はニコマスPにしかできない。と、僕は思う。ブログができることは、せいぜい、界隈の話題を盛り上げたり、作者のモチベーションを高めたりすることだけ。最近の僕は、どちらにも貢献してないかもしれないけど。

 映像と文字列の、どちらがより手にとって貰える確率が高いのかは僕には分からない。でも、双方共に画像に圧倒的に水をあけられていることは確かだ。最初からハンデがある。ネガっても仕方ないから、常に方法を模索するしかないんだけれど。話がずれた。


 先日の記事に対して、おっホイ。さんがこんな記事を書いてくれた。結論を要約すると「面白い作品はたくさんある。捜してないだけ」。うん、たぶんそうなんだろうね。でも、普通の人は探してまで面白い作品を見てくれないんだよ。コストが高すぎる。捜さなくても面白いことは他にいくらでもあるから。

 彼は口だけの人じゃない。以前は毎日、信じられない時間を割いて観賞したMADの中から、お勧めをブログに紹介してた。らちがあかないと思って週マス編集部に入って、今も毎日努力してる。彼があの記事に怒るのは分かる。分かるんだけど、その結論には意味がない。ブログに書いた。ダメだった。週マスを作った。ファン層の増加が実感できない。じゃあ、何ができるのか。


 最近、ニコマスシーンは若干の活況を呈してる。アイマスSPの新規参入Pたちが、アイマスMADを評価しているからだと思う。どんなものかと思って、ちょっとアンケートを採ってみた。募集したのは2chアイマス関連スレッドとtwitter。具体的には「THE IDOLM@STER アイドルマスター 家庭用」で1回、「【PSPTHE IDOLM@STER アイドルマスターSP」で4回、あと「とかち組」に1回。

 今日時点で回答数は580件、母数としては全くアテにならない数じゃないと思う。興味深かった結果は色々あるけれど、中でも「あなたはどうして、アイドルマスターSPに興味を持ちましたか?」及び「あなたは、XBOX360アイドルマスターを持っていますか?」両質問への回答が面白い。

 

 SP購入者の実に半数以上がXBOX360アイドルマスターを全く所有せず、そして、60%以上がSP購入の理由として「ニコニコ動画アイドルマスターMADを見て」と回答している。アイマスMADはアイマスに貢献してるよ。それがMADの著作権問題を解消するって言いたいわけじゃない。ただ、Pさん達は胸の中でこっそりと誇ってもいいと思う。


 じゃあ、アイマス記事を扱うブログは、僕は何をしたらいいのかな。一つ一つとりあげていたおっホイ。さんは週マスへ行った。好きなものをプッシュし、界隈の満足度を上げてるニコマスブログは、引き替えにするものがある。それでもアイマスMADを見てる人々は予想以上にいて、アイマスSPを買った。このままで良いのかもしれない。

 現状を肯定するなら、合理的な結論は見えてるんだけれど。