ああ。これは良いドラッグです。
らくえん このタイトルがすべてを物語っているのではないでしょうか。楽園ではなく、
らくえん。諦観と脱力の果てに立ちあがる、意外とのどかでたのしいへいわ。正義を固持する人にとっては
背信でしょう。真理を信じる人にとっては堕落でしょう。けれどここには、とても日本的な古い何か、真理でも正義でもない、和やかな、囁かな、ある種の同意があるように思えてなりません。そしてそれが、あらゆる
エロゲー的ご都合主義の寄せ集めのようなこのメタゲームの底流に流れ、世界に不思議なリアリティを与えているのです。そう、神さまはいなくても、楽園はなくとも、ひょっとして、
らくえん くらいなら、どこかにあっても良いんじゃないかって。