言葉が通じるというのは本当に不思議なことだ。耳に届くある種の音から意味を読み取れる。当たり前のことのようで、普段はまず気にしないことだろうけれど、最近よく思う。
外国人は当然、日本語と異なる音を日本語とは異なる法則に基づいて発生させる。勉強しないと意味なんて分からない。ただの音だ。ところが一度意味を拾ってみると、案外僕らと同じようなことを考えている。似たようなことを話す。
と、僕は思う。しかし、それは僕が勝手に彼らの発した音を理解した「つもり」になってるんじゃないか。自分に分かるように理解するのだから、似たようなことを話すのはむしろ当たり前である。
外国語を習い始めの頃は、本当に通じない。分からない。理解できるようになってくると、ひとえに嬉しい。分かった!と信じる。けれどこの頃思うのだ。実際分かってんのかな、本当に。
今から考えれば、例えば半年前なんて全然分かっていなかった。でも分かった気になっていた。今から一年後に振り返れば、きっと今の僕は全然分かってないだろう。でも僕は今、平気な顔で会話してる。
最近、どうにも自信がない。