世界の中心でもさもさジャンクを食べた日

念願のビットーリオ・エマヌエレ・ガレリアを訪問。スカラ座も訪問。ついでに悪名高きマックカフェも訪問。あのロケーション(ガレリアの一角)でしばらく座れて2ユーロ前後というのは確かに経済的ではあるけれど、まったく優雅でないのであれはやっぱりいろいろと大間違いだと思う。ここは少し無理をしてでもグッチのカフェでコペルト代に目を剥きたいもの。
ドゥオモは例によって修復中で、ファサードにはためく土方シートが恨めしい。世界的な観光名所のわりに拝観料を取らない姿勢に感心しながら内部を歩くと、後期ゴシックの薄い壁を構成するステンドガラスと配置まで洗練された円柱の列が実に見事。右側廊の教会、左側廊の黙示録がそれぞれ印象的、何より左袖廊の聖母小聖堂を右袖廊から望む美しさと来たら!
左袖廊の外側にドゥオモの屋根に登れる階段があるのでうきうき登る。階段4ユーロ、エレベータ6ユーロ。150段ほどで到着する屋上は何だったか昔の映画でヒロインがバーンと走った舞台で、ここは一つマネをしたいところだったけれど警備のおじさんが怖い顔で睨んでいるので中止。おとなしく観光客に徹する。それにしてもこの小尖塔の林と来たら、一体いくらかかったのやら。
そんな事を考えていると、以前友人が花の聖母教会を前に呟いた言葉――このようなものにこんなにお金をかけるくらいなら、他にやることはいくらでもあったろうに――を思い出す。「私たちの罪ではなく、教会の信仰を省みてください」と日々繰り返す教会のための祈りは、案外そんなところも含んでいるのかもしれない。大人の都合というものは確かに存在する。憐れみたまえ!