タンデムと言え

バイクという乗り物は根本的に二人乗りに向かないと思う。安全の問題もそうだし、それ以上に精神的な意味で。私は二人乗りで遠出するくらいならいっそ自動車を使うから、法が変わろうが変わるまいが正直なところどうだって良い。とは言え高速道の二人乗り解禁が決定されたくらいだから、世の中にはどうしても二人乗りで出かけたいという人も結構な数がいるのだろうし、それを邪魔しようとはこれっぽっちも思わない。バイクというのはそういう主義の乗り物だ。
ただ、だからこそ、バイクに乗らない人々の、バイクについてあれこれ意見したがる理由、あるいは動機というのがさっぱり分からない(もちろん暴走族問題は例外だ)。つまるところ、こけて死ぬのは彼らではないのに、どうして「二人乗りは危ない」だなんてピントはずれなお節介を焼きたがるんだろう。そんなことを言うならそもそもバイク自体危ないし、取り立てて二人乗りだけを禁止するのは変じゃないか。それも、バイクはわざわざ二人乗りができるように作られている乗り物なのに。
何より、バイクなんて言う、自分たちにほとんど関係のない(多くの”先生方”は一生経験しないだろう!)問題を、どうしてここまで一大事のように取り扱いたがるのだ。利権に関係があるとも、あるいは社会に重大な影響を与える事項だとも思えないから、ひたすら単純に、ただの想像に支えられたお節介以上の何物でもない。もちろん日本人はすごくお節介焼きだから、と言ってしまえばそれまでなのだろうけれど、私はもの凄く微妙な違和感を覚えてしまう。そう、この「二人乗り」という言葉と同じくらいには。