シンフォニック=レイン この嘘だらけの世界で

ではなぜ、私たちは『愛』だけを信じるべきなのでしょうか。真実のない世界で、どうして『愛』だけが、物語を結末に導くことができたのでしょうか。正直に言いましょう。私は、この部分に明確な結論を下すことはできません。
ただ、それこそが『シンフォニック=レイン』という作品の告げたかったことであり、それはおそらく、『シンフォニック=レイン』の語り手が――すなわち岡崎律子が――(おそらくは極めて深い悲しみと悩みに満ちた)彼女の人生をかけて辿り着いた、「”この世界”を生きるということ」の答えなのだと思います。
それは、ただ彼女の得た確信。だから、この答えは、それはもう「信じる」か、「信じない」かしかない。そして私は、彼女の答えを、信じます。


ごめんなさい。ほとんど全てが、嘘なの。でも、これだけは信じて。
私はトルティニタ。そして、あなたのことを愛してる。
それが全て。


シンフォニック=レイン』を総括する言葉。
世界に「真実」はないか、あるいは見つけられなかった。
ただ、それでも、そこにあると「信じたい」もの。
それは『愛』であり、それが「全て」なのです。






感謝。